証券会社のリテール営業を辞めたいと思うときの7つの理由

証券会社のリテール営業を辞めたいと思うときの6つの理由

私は大学を卒業後、新卒で証券会社(東証一部上場)に5年間勤務した過去があります。入社当時は、この会社でガンガン活躍して、どんどん出世して定年まで勤め上げるぞ!と意気込んでいましたし、「証券会社=激務」という言葉も耳にしていましたが「自分はコミュニケーション力があるし、上司やお客様とも上手く関係を作る自信がある。きっと大丈夫だろう」と軽く考えていました。

新人研修が終わって都心部のリテール営業に配属となり、富裕層や資産家に対して資産運用の提案を行う仕事に携わっていましたが、現在は金融業とは全く関わりのない会社に転職しています。

これから証券会社で働く予定のあなた、証券会社への転職を考えているあなたに、私が経験した証券会社を辞めたいと思った理由、そして同期や先輩、後輩が辞めた理由についてお伝えします。

これから先に書いてあることは私の「主観」ではありますが、事実です。大げさにあなたを困惑させることが目的ではないですし、これを見た「現役の証券マン」「すでにキャリアチェンジした元証券マン」の方々はきっと同調できる内容と思います。では、ひとつずつご紹介をしていきます。

証券会社のリテール営業を辞めたいと思う理由

1.出社時間が早すぎる

出社時間は7時前。新人は8時の全社ミーティングの前に、毎朝店舗周りのゴミ拾いや上司の机を拭いたりと、掃除をしなくてはなりませんでした。家から会社までの通勤時間は一時間半もかかるため、起床時間は毎朝4時30分。

夜は遅くても12時には就寝しないと起きれません。もちろん、入社後半年もすれば慣れるのですが、週末に寝だめするのが習慣になってしまう人も。

朝が早くて起きられずに遅刻したり、早すぎるのが嫌で辞めた同期は2人いました。ですが正直なところ、この2人は入社直後からやる気がなく、社会人としての自覚もなかったので辞めるのも時間の問題と思っていましたが、結局、度重なる遅刻が理由で上司から詰められて退職届を出していました。

私は今、毎朝7時に起きていることを考えると、あの生活は体調に支障をきたすと思います。

2.新規開拓営業が辛い

新規開拓営業は基本、飛び込みで個人宅や会社がたくさんある法人エリアを回ります。通常の営業だと、訪問先のお客様にニーズがないと感じたらどんどん営業エリアを変えていくものですが、証券営業は特殊です。一週間で回りきれるくらいの営業エリアを与えられ、そこを半年~二年もの間、何度も訪問します。断られても、です。

つまり、営業エリアのお客様に何度も訪問することにより「顔見知りの営業マン→会えば話をする間柄の営業マン→相談できる熱心な営業マン」と、お客様にとってどんどん近い存在になっていくことを目的としているのです。

毎日何十件も営業先のインターホンを鳴らし、「必要ない」「お金がないから投資できない」「もう他社と付き合いがある」などと断られ続ける毎日。心が折れて足が止まったり、怒られてインターホンを押すのが怖くなったりする営業マンはたくさんいました。

また、一か月もの間、サボらず真面目に営業活動を続けたにもかかわらず、契約を一件も取得できなかったことでモチベーションが下がってしまい、「営業に向いてないのかな」と考える同期もたくさんいました。新規開拓営業の辛さが原因で退職した同期は、全体の30%ほどに昇ります。ちなみに私も一時期、坊主が続いてネガティブに考えてしまっていました。

3.ノルマがきつい

証券会社の営業マンには手数料収入のノルマが課せられます。一般的な企業だと、自社で取り扱っている商品は業界自体のイノベーションや、法律の改正が起きない限り、販売状況はほとんど変わりません。しかし株の場合は市況が悪くなると、投資家心理が悪化して買い控えが頻繁に起こります。

日本や米国の景気指数が予想を下回ったり、企業が業績を下方修正したり、不祥事があったりすると、熱が冷めて「様子見」になるのです。そのため、どのくらい手数料が上げられるのかを事前に読むことは難しく、ベテランの上司が頭を抱える様子を何度も見ました。

また、「日本国債」や「豪ドル債」は株式の売買と違って「仕入れる」ため、自分が数字を作れないと他の営業員が販売して売り切らないといかないため、迷惑を掛けてしまうことになり、提案先の少ない若手営業マンは肩身の狭い思いをしなくてはなりません。ノルマが厳しくて辞めてしまった同期は全体の20%ほどはいたと思います。

4.顧客第一の提案ができない

証券営業は手数料ビジネス。つまり、株を売買してもらわないとお金をいただけません。そのため、お客様が損をする可能性の高い商品でも注文を出してくれるように薦めたり、運用利益の出ている株は売り抜けて次の株を薦める、損失が出ていたり、塩漬けしている株の損失を確定させて別の成長株に投資させたりと、あらゆる手を使います。

株は長期保有させるのではなく、短期で売買を繰り返してくれるようお客様を育てるのが上手い証券マンはトップ営業になるための要素を持っているといえますが、お客様を裏切れない人には辛い営業といっても間違いないでしょう。

わたしは2008年のリーマンショックを経験し、やりがいを感じれなくなって辞めました。

毎月ちょっとずつ貯金している主婦の大事なお金を投資させたり、自分の祖父・祖母と同世代の高齢者に勧めたりすることを課長から指示され、職場ではいつも胃が痛くなっていました。

もちろん、そこに至ったのはニーズのあるお客様を十分に開拓できなかった自分のせいですし、上司に怒られるのが怖くてお客様を犠牲にしたのは私の弱さです。

当時、証券のリテール営業への社会貢献度を感じれなくなったことから退職しましたが、同じ気持ちになった同期はその時期、大量に退職しました。

5.パワハラ上司が怖い

昔は机を蹴られたり、灰皿や四季報を投げつけられたりといった暴力があったみたいですが、私の在籍していた時期は、流石にそれはありませんでした。ただ、金融機関は上下関係が厳しい組織です。上司の意見に逆らおうものなら、とことん攻撃されます。

場中は受話器を置いたら「お前、数字やる気あんのかコラー!」と怒鳴られ、ノルマが達成できないものなら個室に呼び出されて暴言の嵐。人格を否定されることは日常茶飯事です。

一番印象に残っているのは、自分のノルマを月半ばで達成したときの上司の言葉。普通は「おめでとう」とか「やったじゃん」といって褒めてくれるはずですが、課長は私に「調子に乗るなよ。個人目標が達成できたら次はチーム目標、チームが達成したら支店目標を目指せ。早く電話営業しろ!」と吐き捨てました。

もちろん、証券会社の社員は皆、このようなタイプかというとそうではありません。穏やかな人、リーダーシップを発揮している人、優しい人などもいます。ただ、私が所属していた課の長は「若手退職率100%」という実績を持つ上司。クジ運の悪い人はもしかするとこんな上司がいるかもしれません。あ、ちなみに自分はこの課長の部下だった時期に退職しました。

6.支店間で方針が違うため不公平

支店によって地域性も変われば、営業マンの得意不得意も異なるため、多少は仕方がないのも理解しています。ですが、同じノルマを与えられた同期のなかで、一方は上司の顧客を引き継いで営業ができるのと、もう一方は自分が新規開拓で獲得したお客様のみで目標を目指すのとでは平等とはいえませんでした。

そこに不満を持つ社員は少なくありません。できる営業マンには仕事が集まるといいますが、引継ぎされるのはその逆で、できていない営業マンや、やる気がない営業マンが大半。もちろん、営業数字も逆転現象が起き、若手間で愚痴ることが多くなりました。

7.できていない社員のほうが、給料が多い矛盾

残業代の抑制と、若手は早く帰らせるという方針があったことから、数字ができている営業マンは定時で帰社することが基本でした。しかし数字ができていない営業マンは帰りづらいため残業することが多くなり、その結果、総収入はできていない営業マンのほうが多くなっていたのも不満でした。

長い目で見れば出世のスピードが異なるため、いずれ是正されるのかもしれません。ただ、物価の高い都心部の配属となれば、若手社員の一万円の収入の差は見過ごせない問題でした。

リテール営業を辞めたくなったときに考えるべきこと

冒頭お伝えした通り、私はすでに証券会社を退職し、キャリアチェンジしました。そのため、あなたが「辞めたい」と思う気持ちも分かります。ただし、本当に今が退職するタイミングかどうかを、冷静に考える必要があるでしょう。

異動で解決できるなら会社に踏み止まることも考えよう

証券会社には、リテール営業以外にもたくさん部署があります。総務・人事・サポート本部・法人営業など、挙げればキリがありません。そこならもう一度、やりがいを感じて頑張れる環境があるかもしれないので、転職を決断する前に、異動で解決できる問題か、再考してみましょう。

キャリアチェンジは慎重に

前職の同期や先輩・後輩など、証券営業が嫌で辞めた人の大半はその後、営業職以外の仕事に就いています。私を含め、業種を変えてまた営業をしているのはほんの一部です。

しかし、多くの場合、専門職や技術職よりも営業のほうが年収が高いのが一般的であり、何よりも、証券営業の営業スタイルは特殊であり、これを基準に考えるのは勿体ないといえます。

私は現在、企業のコスト削減のコンサルティングをしていますが、探客から始まります。ですが、やりがいを感じて仕事ができています。あなたも転職を考えるなら、まずは営業職のなかから探すことをおススメします。

証券はネームバリューがある

あなたが思っている以上に、証券会社の営業マンは転職市場で重宝されています。※ただし、三年未満での退職はマイナスです。

その強みを生かして、色んな会社を見てみましょう。証券マンは経済情勢や業界動向のみならず、色んな会社の情報を知る機会が多い仕事ですが、実際に現場を見ると、違った世界が見えてきます。

転職するにしても、証券営業のキャリアを生かして、後悔のない仕事を探してくださいね。

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