薬剤師が入社1年目で転職するのは不利か

薬剤師が入社1年目で転職するのは不利か

労働市場の流動性が高まり、薬剤師についても例外ではなく、職場を一年も経たずにやめてしまう例が増えています。ここでは他の転職市場の例も踏まえながら薬剤師が短期で転職する理由やデメリットについて考えてみます。

薬剤師が1年目で転職したくなる2つの理由

薬剤師が1年目で転職したくなる2つの理由

達成感がない、仕事がつまらない

薬剤師をやめる最も多い理由は「仕事がつまらない」というものです。これは特に在学中に強い目的意識を持って勉学に励んできた人に多いようです。薬剤師の仕事は地味な事務作業がほとんどで、自分が学んできた知識を活かしきれないと感じるようです。

職場の人間関係が悪い

次に多い理由は病院や薬局内での人間関係の悪さ、です。これは他の職種の転職にも多い理由で、職場の雰囲気自体が悪いもの、もしくは若い世代と旧来世代の仕事観のジェネレーションギャップのようなものも考えられます。

職場自体の雰囲気が悪い、という場合にはその病院や薬局の経営状況などとも多少関わってきますので、すぐにどうにかできる問題ではありません。例えば業績が不振な薬局・病院は人間関係が閉鎖的になり、いじめなども起こりやすくなっているようです。事前にIRなどをチェックしてみる必要があると言えるでしょう。

また、年長者が多く年功序列の空気感がある職場の場合には今の若い世代の人はその文化に馴染みきれないようなところがあるようです。これはその人自身を責めてしまいがちですが、教育制度や価値観が大幅に変わりつつあるために文化移行の過渡期に起こる現象ともみることができます。例えば旧来世代は神道や大日本帝国憲法化の慣習的な名残が残っていることも多く、年功序列、会社=家族、という価値観を持っている場合もあります。一方で若い世代は輸入型の民主主義やヨーロッパ起点の知識で教育されていて、文化的なコンフリクトとなってしまうこともあるようです。事前に職場の雰囲気について調査しておくことが重要かもしれません。

薬剤師が1年目で転職するのは不利か?

転職市場では短期間でやめてしまうことは決して薦められることではありません。しかし、近年は新卒の3割が3年以内にやめるような状況になっており、職場に不満を抱える若者は多くなってきていると言えるでしょう。

転職をしようと思う場合には一年以内でやめることは不利に働いてしまうので、3年は我慢した方がいいというのが定説のようです。日本では依然として終身雇用の感覚があるために短期間でやめてしまうと次の採用先で印象が悪いことが多いようです。しかし例えば、それ以降に働く会社も同じように劣悪な人間関係や、つまらない仕事がないとは限りません。「薬剤師の仕事がつまらない」というのは多く聞かれる声で、転職をして別の薬局に努めたところで仕事が劇的に楽しくなるということは考えられないでしょう。自分が不満に思っていることを解決する手段は本当に転職なのか?ということをじっくり考えてみましょう。

職種を変える選択肢もある

薬局や病院を変える、という選択肢以外では職種を変えるという選択もあります。薬剤師の中でも新薬開発やバイオ・ゲノム系の研究よりの仕事から小売業など幅広くあります。その中で「また同じような仕事をしたくない」「人間関係でもめたくない」けれど「これ以上長くは勤められなさそうだ」という場合には、例えば大学院に入ってより研究系の仕事を志すという方法があります。

研究関連の職につくには博士号が必要になることが多いですので、自然にやめることができます。この場合、「病院で薬剤師をしていたけれど、どうしても研究に対する思いが捨てられなくて」という理由ですので、そこまで不自然・失礼ではなく、さらには正当な理由で博士号を取るまで3年程度煩わしい人間関係から解放されることができます。

また、バイオやゲノム系の研究は現在ホットトピックですので、博士取得後に研究関連の就職をすることができれば薬剤師よりも200−300万円程度の年収アップが期待できます。博士を取得することは多少難しいところもありますが、基本的には単調な薬剤師の仕事に比べれば頭脳を使った作業となりますので、研究が好きであれば退屈することはないでしょう。

さらにアメリカの例では博士取得後に専門を生かしてベンチャーで起業するという選択も一般的になっていますので、研究者として大学に残る、会社の研究員になるという選択以外にも選択肢が広がります。また科学ジャーナリズム系統の仕事に関してもマイペースに研究内容を生かしながらできる仕事と言えます。

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