転勤の理由・必要性

転勤は単に職場が変わるだけでなく、転勤先によっては自分が慣れ親しんでいる住まいを変えなければならないこともあり、転勤を命じられた本人にとっては一大事と言えます。そんな一大事にも関わらず、日本企業において転勤制度は「当たり前の人事制度」として定着しているのですが、そもそも何で「転勤」といった制度があるのか、皆さんは考えてみたことはあるでしょうか。今回は、日本企業において当たり前のように行われている「転勤」の理由や必要性などについて考えることにします。


①多様な経験や広い視野を社員に身に付けさせるため

転勤は引越し費用や社宅の提供等、馬鹿にできないコストが生じる人事異動制度ですが、それでも転勤させるのは社員を育てると言う大きな目的があるからです。地域が異なればその地域独特の慣習やニーズもあり、その地域に合わせた市場戦略や事業運営が求められますが、社員を転勤させればそうした多様な地域ニーズに触れることができると共に、そうした地域ニーズに合わせた事業活動の経験等を積むこともできます。

その結果、社員は転勤によってより広い視野で物事を考えることができるようになるなど成長を期待することが出来るため、あえてコストを負担してでも社員を転勤させているのです。


②マンネリ化や組織的癒着等の防止

日本企業はまだまだ多くの企業が、終身雇用制度を人事制度の基本としています。この終身雇用制度は社員にとって生涯勤務できるという安心感を与えるメリットがある反面、人材の入れ代わりが生じにくいので組織環境がマンネリ化しやすいというデメリットがあります。

そのマンネリ化を防止する意味でも、「転勤」が利用された訳です。多くの社員を転勤させれば社員が転職しなくとも制度的に組織が流動化することになるため、マンネリ化を防ぎ、組織の活性化を図ることができます。また、長年組織メンバーが固定化することによる弊害として特定業者との取引において癒着や不正が生じることも考えられます。そうした組織の固定化に伴う癒着といった問題を防ぐ意味でも転勤は活用されてきたと言えます。


③組織の一体感や結束力の強化

各地方の支店では、その地域性に応じた営業活動が求められる場合がありますが、そうした支店単位特有の活動は、デメリットとして組織の一体感や結束力を薄めてしまいやすくなります。そこで、本社から各地方の支店等へ転勤させるケースが特に該当すると言えますが、本社の人材と支店の人材を融合させることで本社と支店との組織的一体感や結束力を高めたり、密接な関係を構築したりする目的で転勤を実施いている企業もあります。

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