遅刻した社員への罰金・罰則は合法?違法?

遅刻した社員への罰金・罰則は合法?違法?

ビジネスシーンで遅刻は非常に迷惑な行為であり、業務に支障がでるだけでなく、お互いの信頼関係を壊すこともあります。しかし、遅刻に対して罰金や罰則を科すことは法的に許されるのでしょうか?ここでは具体事例を挙げながらご説明します。

遅刻への罰金・罰則は合法?

結論から伝えると、遅刻したときに罰金や罰則を科すこと自体は合法です。そもそも労働基準法は、「ノーワークノーペイ」が原則にあります。ノーワークノーペイとは、「働かなければ給与を支払う必要がない」という考え方で、働いていない場合は一切の賃金保証をしないことを法的に認めたもの。

しかし、それでは使用人である会社側にとって都合の良い仕組みが作れてしまい、労働者である社員の方々が不当な条件で働くハメになってしまいます。そこで、労働基準法では正当な範囲内でのみ、有効とする条項が定められています。つまり、遅刻したからといって会社側が独自に規定した高額なペナルティは法的に認められない、違法であるというものです。

それでは、罰金や罰則はどのような範囲であれば規定を設けることができるのでしょうか。次をご覧ください。

遅刻の罰金・罰則に必要な3つの要件

遅刻による手当や査定への影響

賃金に遅刻のペナルティを科すことに関しては、労働基準法が定める以下の3つの要件を満たす必要があります。まず1つ目は以下に記載した労働基準法第91条から見ていきましょう。

要件1:労働基準法第91条

  • 「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」(労働基準法:第91条)

第91条からは、経営者の采配でその時々で自由に決められるものではないことが読み取れます。具体的にどのラインまでなら罰金が合法なのか、賃金を基準にご説明します。

例えば、月給30万円の場合、平均賃金1日分の半額は5千円、1賃金支払期における賃金の総額の10分の1は3万円です。遅刻1回につき罰金を定めた場合、5千円が限度額になり、もし一ヶ月の間に遅刻を7回した場合、本来は5千円×7=3万5千円の罰金ですが、3万円が1賃金支払期の限度額のため、30万円から3万円が引かれる計算になります。

この金額を超える罰金を一ヵ月の賃金から減給した場合は違法であり、勤務先の管轄である労働基準監督署に申し立てをすることができます。ただし一つ注意しなければならないことがあります。ここだけ見ると7回以上の遅刻に対しては、罰金を3万円以上とられないように思いますが、罰金の上限はあくまでも1賃金支払期の限度額のため、3万円を超えた分に関しては、翌月の給与から差し引くというような対応も可能です。

要件2:就業規則で定めている

労働基準法第91条の冒頭で「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては…」と書かれているように、罰金や罰則を規定する場合は、予め就業規則に定めておく必要があります。

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