法人営業と個人営業の違い【仕事内容・年収・スキル・大変さ】

営業職は「法人営業」と「個人営業」でよく区分されて論じられる場合が多いのですが、皆さんは両者の違いについて理解できているでしょうか。実は、法人営業と個人営業の違いについて、多くの方が明確に理解できていないと言えます。就職先を探すときはもちろん、キャリアアップの転職をするときなどの参考にしてくださいね。それでは法人営業と個人営業の違いをご説明致します。

◎目次

  • 法人営業と個人営業の「仕事内容」の違い
  • 法人営業と個人営業の年収の違い
  • 法人営業と個人営業に必要な「能力・スキル」の違い
  • 法人営業と個人営業はどっちが大変か

それでは早速、両者の違いを見ていきましょう。

法人営業と個人営業の「仕事内容」の違い

法人営業と個人営業の「ビジネスプロセス」の違い

1.購入資金が「会社のお金」か「個人のお金」か

法人のお客様と個人のお客様の大きな違いの一つが「お金の属性」です。法人の場合、商品を購入する場合の資金は、全て「会社のお金」が基本となります。つまり、目の前に座っている法人側の担当者が決裁権を持っているとしても、その担当者の方の懐が直接痛むわけではありません。そのため、法人のお客様は、組織のなかで使える予算を計算し、冷静に商品が必要か、不要かの判断をして貰いやすく、個人的懐事情や感情に翻弄されることはまずありません。

一方、個人営業の場合は、個人のお客様が汗水を流して稼いだお金であり、商品を購入することになれば、個人の懐が直接痛むことになります。そのため、仮にその商品が必要だとわかっていても、懐が痛むこと精神的な苦痛から逃れたい負の感情も働くので、意志決定が感情によって揺らぐ場合が多いと言えます。

2.購入目的の性質の違い

法人と個人のお金は上述した属性の違いだけでなく、「お金の性質」という面でも異なります。法人が所有しているお金とは、基本的に「会社の利益を新たに生むために使うこと」が主な目的のものです。つまり、次のお金を生むための投資に回す考え方を持っています。また企業は、経費を使わず利益を溜め込もうとしても、毎年利益の一部が税金で差し引かれるため、「使う」というベクトルが企業経営上、大きく働く仕組みにもなっています。

一方で個人が有するお金は、特に日本人の場合、消費や支出だけに使うことは美徳とされていません。加えて、少子高齢化といった先行き不安もあって、「残す」「貯める」といったベクトルが「使う」以上に働く現状があります。従って、個人の場合は「残す」「貯める」というベクトルを覆してお金を使ってもらう必要が生じてくる点が、法人営業との違いと言えます。

3.意志決定のプロセスやキャンセルの違い

法人営業と個人営業の違いは、相手側の意志決定プロセスでも大きな違いがあると言えます。法人の場合、商談に応じてくれている担当者に単独での決裁権があるとは限りません。商材や取引額によっては、組織として意志決定を下すことになるため、その決定に複数の人が関わることになります。そのため、企業の商談相手が代表取締役などのトップに対する営業を除けば、担当者個人を口説き落としても、即商談成立とならないのが法人営業の特徴であり、難しさと言えます。

その反面、法人にはクーリング・オフ制度が適応されないということもありますが、法人なら複数の段階的な判断を経て最終決断をするため、一度正式に決まった商談は、個人の一存や感情で覆ったりするケースが少ないのも、法人営業の特色です。

対して個人営業の場合は、お客様が意志決定をすれば、その場で購入や契約が決まる場合が多いと言えます。しかし、クーリング・オフ制度が適応されることに加え、一度下した決断であっても、その後の個人的感情で変化しやすい側面があるため、クーリング・オフの期間が完全に過ぎるまではキャンセルになる不安を抱えることになりがちです。

4.購入動機が「商品メリット」か「営業マンとの相性」か

上述した意志決定プロセスの違いは、営業マンと商談相手の人間関係や信頼関係といった面でも違いを生みます。法人営業の場合、仮に営業マンが法人側の担当者個人と親しくなり、信頼関係を築いたとしても、個人的なつながりだけで商品の購入や契約などの判断が下されることは期待できません。法人のお客様の決裁権は、組織として複数人で意志決定を行うことが多いため、個人的信頼関係や義理人情よりも、良くも悪くも商品やサービスに対する合理的な判断によって、結論が出やすいという特徴があります。

一方で個人の場合は、商品やサービスに対する合理的な判断以上に、お客様と営業マン個人との信頼関係や、好き嫌いといった感情的側面が営業結果に色濃く及ぶ特徴があります。例えば、お客様が商品を気に入ってくれたとしても、営業マンに対する心証が悪ければ、購入を見送ることは当たり前に起こる話です。しかし、お客様と営業マン個人との厚い信頼関係や深い絆がある場合、価格や機能などの商品メリットが競合他社より劣っていることはわかっていても、敢えて購入や契約をしてくれるお客様もいます。つまり、時として合理性以上に、人間関係の方が意志決定に重大な影響を及ぶ場合が多いのが個人営業です。

法人営業と個人営業の年収の違い

法人営業と個人営業の年収の違い

一般的には、法人営業のほうが個人営業の年収を上回る傾向があります。その理由は業界や企業によって様々ですが、ターゲット層が法人なのか、個人かによって、1件あたりの取引額の差が非常に大きいことが一つ挙げられます。法人取引になると、商材によっては1件あたり取引額が、数百万〜数十億円の取引になることもあります。ですが個人取引であれば、一番大きな買い物と言われる家やマンションでも数千万円です。取引額の違いが年収に反映されている要素は少なからずあるでしょう。

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