領収書(領収証)の宛名に書く「上様」の意味と注意点

領収書を受け取る際、正式な社名を伝えず「宛名は上様でお願いします」と依頼すること等があると思われますが、この「上様」の意味や由来について皆さんはご存知でしょうか。また、領収書の宛名に「上様」を使用することは何も問題ないものでしょうか。

そこで今回は、そうした「上様」の意味や由来、使用上注意すべきこと等について解説致します。

①上様の由来と意味その1 「古代中国が起源」のため

実は「上様」の意味、正確には領収書で使用されている「上様」の意味や由来については複数の説があります。

その説の一つが中国での呼称が起源となったと言う説。言語として漢字を取り入れた訳ですから、日本は漢字の意味等について古代中国の影響を大きく受けているのは事実です。その古代中国において帝は「上様」と呼称されていたことから、日本でも歴史において天皇や将軍を「上様」と呼称するようになり、それがやがて商人にとって上の立場となるお客様への敬意を払う意味で、領収書に「上様」と使用されるようになったと言われています。

②上様の由来と意味その2 「上得意(じょうとくい)」「上客(じょうきゃく)」

もう一つの説が、現在でもお得様のことを「上得意」「上客」と呼ぶ場合がありますが、それらの略称として「上様」と言う言葉が生まれ、領収書で利用されるようなったという説もあります。

従って、この由来に則った場合、「上様」は「うえさま」ではなく「じょうさまと読むのが正しい」との指摘もあります。ちなみにこの説と読み方は、一部の国語辞典等においても「うえさま」と共に紹介されています。

「上様」で領収書を受け取る場合の注意点

さて、領収書に「上様」と書かれたものを領収書として受け取る場合の注意点ですが、それは「出来るだけ宛名を上様と書いてもらわないこと」、また「上様と書かれた領収書は出来るだけ受け取らないこと」に尽きると言えます。

領収書とは、「領収書に記載されている金額を支払ったことを証明するための書類」です。上様では、発行者が誰に対してその領収書を発行したのか証明出来ているとは言えず、領収書を税務署から認定して貰えない場合があったとしても文句は言えないのです。

また、消費税における税額控除の要件として、小売業等一部の特定業種や金額上の細かな条件を除けば、「書類の交付を受けるその事業者の氏名又は名称」が領収書に明記されていることが条件となっています。

つまり、どのような角度からみても指摘を受ける心配のないケースとは宛名に「上様」ではなく、正確な会社の名称等が記載されているケースのみです。そのため、領収書の宛名には「上様」ではなく皆さんの会社名等を明記して頂くことを心掛けた方が良いと言えるのです。

以上、領収書における上様の意味や由来等をご紹介して参りましたが、「上様」は日本社会において長く慣習的に使用されてきた経緯があり、消費税の税額控除のケースを除けば「上様は直ちに全て駄目」となっている訳でもありません。

しかしながら、領収書の本来の意味を踏まえれば好ましくないのは明らかです。出来る限り宛名を「上様」とした領収書は受け取らないことが「転ばぬ先の杖」と言えます。

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