【いまさら聞けない】みなし残業とは

厚生労働省の調査によると、みなし残業を導入している企業の割合は、企業全体の約10%となっています。そのため企業の採用情報を見てみると、勤務条件や給与欄に「みなし残業」を導入している企業が見受けられますが、あなたは「みなし残業」がどのような制度か理解できていますか?今回はみなし残業がどのような制度なのか、解説していきます。

みなし残業とは

みなし残業とは、正式には「みなし労働時間制」といい、給与の中に一定時間分の残業代が含まれている賃金体系のことをいいます。例えば、月の給与額に30時間分の残業代が含まれた「みなし労働時間制」の場合は、月の残業時間が30時間以内であれば残業手当はつきません。もし、月の残業時間が35時間であれば5時間分の残業手当がつく制度です。

みなし残業を導入するメリット

みなし労働時間制を企業が導入するメリットは、企業側にとっては労働者の残業代を算出する手間をかけなくて良くなるからです。具体的に解説すると、通常、法律では1分単位で残業代を支払わなくてはなりません。しかし、残業時間中でも休憩をしたり、同僚の仕事が終わるまで待っており、結果的に残業が発生するケースもあると思います。そうなると、効率的に仕事をして、残業をしなかった人が、給与面で見たときに不公平になってしまいます。また企業からしても、本来支払わなくてもよい、余分な残業手当を負担しなければいけなくなります。そこでみなし労働時間制を設定して、この問題を解消する体系をとっているという訳です。

また労働者にとってのメリットは、月の残業時間が少なかったとしても、毎月一定の残業代が受け取れるということが挙げられます。そのため、効率的に仕事を終わらせる人ほど、みなし残業が設定されている時間内であれば、得をするという訳です。

みなし労働時間制はサービス残業の温床になる?

実際、みなし労働時間制を採用している企業の中には、労働者との間でトラブルになっているケースもあります。例えば、みなし残業代を含めた給与を、現在の基本給の水準に設定して、残業代の支払いを抑える狙いで支給するケースです。このような場合だと、労働者にとっては、正確な残業代を見積もることが難しく、また企業からすれば実質的に人件費を削減することができてしまうため、労働者にとっては大きなストレスとなってしまうかもしれません。

みなし残業は、最大で月45時間以内と定められています。みなし残業制度が、労働者にとって単なる「賃金の改悪」となるのではなく、自社の人件費設計を再度見つめ直し、永続的かつより良い経営をするため手段として活用したいものです。

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