【残業代が出ない】サービス残業の実態

サービス残業とは何かと問われた場合、「残業代をもらわないでサービスで残業している場合」と回答する方が多いと思われます。基本的にはそのような解釈で正しいと言えます。しかし、「残業」に対する法律上の規定に基づいて正しくサービス残業を理解しているかというと、そうとは言えない状況が多々見受けられます。

例えば「残業代の申請は残業時間30分以上から申請可能」といった社内ルールを経営者側ばかりか、従業員まで適法と思い込んでいる等です。そこで今回はサービス残業について法的見地からも正確に理解してもらえるよう、解説して参ります。

労働者の平均サービス残業時間は1日あたり1時間以上といわれている

残念ながらサービス残業は多くの企業で浸透しています。1日あたりのサービス残業時間は平均1〜2時間といわれていますが、残念ながらサービス残業の開示は企業が拒むため、正確なデータを取ることはできません。しかし労務の厳しい上場企業でも、会社によってはサービス残業がまかり通ってしまっている事実があります。実際、サービス残業を告訴する動きも少なくありません。中には、1日平均3〜5時間のサービス残業をしている人もいます。

労務について正しく理解しておかないと、結局のところ、損をするのは自分です。サービス残業は違法であること、受け取る権利があなたにはあることを理解してください。

ご存知でしたか?残業には二種類あることを

サービス残業を正しく理解するには、まず「残業」とは何かを正しく理解することが先決です。実は残業に対する定義があいまいなことが、経営者も従業員も気付かないままサービス残業を生み出す原因にもなっています。では「残業」とは何かということですが、実は残業には二種類あるのです。

一つが「法定時間外労働」、もう一つが「法内残業」と呼ばれるものです。まず「法定時間外労働」とは何かということですが、法律上労働時間は週40時間、1日あたり休憩時間を除いて8時間以内と定められており、この法定時間を越えた残業が法定時間外労働と呼ばれています。

次に「法内残業」ですが週40時間、1日当たり最長8時間という法定労働時間内であれば、会社と従業員側で自由に労働時間を決めて契約することができます。この会社側と従業員側が契約した労働時間のことを「所定労働時間」と言います。

この所定労働時間が仮に1日7時間だったとした場合に、1時間残業させたとしたら1日の労働時間は8時間となりますよね。しかし8時間は法定労働時間内となりますので「法定時間外労働」とはならず、この場合は「法内残業」と呼ばれる残業時間となります。

では「法定時間外労働」と「法内残業」はそうした定義の違い以外に、何か違ってくることはあるのでしょうか。「法定時間外労働」の場合には、残業代として月給を時間換算した額の1.25倍の賃金を支払わなければなりません。

対して「法内残業」も残業代を支払わなければなりませんが、法内残業の場合は残業代として月給を時間換算した場合の時間数分のみ残業代として支払えば良いことになっています。

まずはこうした二種類の残業があること、支払うべき残業代が法律上異なることを理解した上で更に記事を読み進めてください。念のため、下にまとめておきます。

残業の種類 労働規定 残業代
法定時間外労働 労働時間は週40時間、1日あたり休憩時間を除いて8時間以内と定められている 月額給与を時間換算した金額の1.25倍
法内残業 労働時間は週40時間、1日当たり最長8時間という法定労働時間内であれば、会社と従業員側で自由に労働時間を決めて契約することができる 月額給与を時間換算した金額

割増賃金をもらえないのも、法内残業は「給料に含まれる」というのも共に「サービス残業」

法定時間外労働と法内残業の二つの残業があることが、経営者側の都合の良い解釈や誤解を招き、また従業員も気付かずにサービス残業を行ってしまう原因になっています。

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