「改定」と「改訂」の意味の違いと使い方

日本語が難しく感じられる理由の一つに「同音異義語」があります。例えば「しこう」と言われただけでは「思考」なのか「試行」なのか、それとも「指向」なのかはすぐにはわかりません。

今回のテーマとなる「改定」と「改訂」は同音であるだけでなく、しかも同じ「改」が使用されていることもあり、区別するのにひときわ苦労する同音異義語の一つと言って良いでしょう。そんな「改定」と「改訂」の意味の違いや使い方について、明確に理解できるよう解説しますのでこの機会にぜひ両語の意味や違い、使い方を完璧にマスターするようにして下さい。

「改定」と「改訂」の意味の違い

「改定」と「改訂」の意味の違いまずは改定と改訂の意味の違いから見ていきたいと思います。

◎「改定」の意味

改定の意味 法律・制度など以前のものを改めて新しく定めること

改定の漢字から意味を類推してみよう

辞書に書かれている意味を紹介することは簡単ですが、それだけでは両語の違いを知識として定着させることが難しいと言えます。実はこの両語、国語辞典に頼らなくとも両語を構成している漢字を丁寧に見ればその違いをある程度掴むことができます。まずは「改定」から見てみましょう。

「改定」は、「改める」と「定める」という漢字の二語の組み合わせになっています。「改める」というのは「変える、変更する」といった意味であり、「定める」とは「確定する、決定する」といった意味。
つまり「改定」とは、「変える・変更する」と「確定する・決定する」が組み合わせられた言葉ですから、「変更したことを確定する、決める」といった意味になると類推できます。

◎「改訂」の意味

改訂の意味 主に文書や文字などを改め正すこと、直すこと

改訂の漢字から意味を類推してみよう

「改訂」についても漢字から意味を類推してみることにしましょう。

「改」の部分は「改める」です。「訂」の意味がポイントになります。「訂」は「改訂」以外では「訂正」「更訂」「校訂」といった熟語で使用されています。つまり「訂」は「直す・正す」といった意味があるのです。
そのため「改訂」とは「改めて直す・正す」といった意味になることが推察されます。「改訂」は「改めて直す」といった意味は概ね推察されたとおりです。ただ、その主な対象が「文書」や「文字」になることまではわかりませんでしたね。従って、改め直すものは「主に文書や文字」という点を重点的に覚えるようにすると良いと言えます。

いかがでしょうか。改訂の意味と漢字から類推できた意味が一致していると言えますね。熟語を構成する漢字の組み合わせには必ず意味があります。熟語の意味のみならず、類推して理解する習慣を身につけておきましょう。続いては「改定」と「改訂」の用例についてご紹介していきます。

「改定」と「改訂」の用例

「改定」と「改訂」の用例改定も改訂も、業種や職種によって使用頻度の差はあれど、ビジネスシーンで用語が登場することも少なくありません。熟語そのももの意味だけでなく用例から意味を定着させるようにしておきましょう。まずは「改定」の使い方を用例で確認してみることにしましょう。

◎改定の用例

(1)今年の国会で新たに法律が改定された。
(2)社員の給与制度の見直しが行われ、来年から改定されることになった。
(3)賃貸借契約書の文言を一部改定した。
(4)消費税増税により電車の運賃が改定した。

ご紹介した上記の用例から、法律や給与制度、契約書などの以前から存在している制度・法律・仕組みが変更された場合、もしくは変更されることが確定した場合に「改定」という言葉を使用することがわかります。つまり、仕組みを変えてそれを確定する場合には「改訂」ではなく「改定」を使うということです。つづいては「改訂」について用例を見ていきましょう。

◎改訂の用例

(1)国語辞典の初版を改訂し、第二版を出版することにした。
(2)学習指導要領が改定されたことを受けて、教科書が改訂された。
(3)来週顧客に提出するプレゼン資料に誤りがあったため改訂した。

二つ目の「(2)学習指導要領が改定されたことを受けて、教科書が改訂された。」では、「改訂」だけでなく「改定」も例文に登場しており、両語の違いを理解する上でより役立つように用例をあげてみました。理解を深めるためにも解説していきたいと思います。学習指導要領というのは国の教育制度であり「文書」ではありませんから「改定」がきます。一方、教科書に書かれている「文」を新しい制度に合ったものへと修正する必要がありますので、この場合は「改訂」となる訳です。

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