主体性・自主性・積極性の意味の違い

日本語は世界的に見ても難しい言語と言われますが、よく似た漢字でも適切に使用しないと相手には違う意味で伝わってしまいます。今回ご紹介するのは「主体性」「自主性」「積極性」の3つの言葉。共通する表現も一部含むため、混同しやすいのですが、使うべきシーンは実はさまざま。日本人として正しい意味を理解して使用することを心がけましょう。

主体性・自主性・積極性の意味

・主体性の意味

主体性とは、「自らの意志や判断に従って行動すること、もしくは行動する様(さま)」のことを言います。主体性は、自分の意志や判断が行動基準となりますが、判断を下す上で最も重視される事項は「目的」です。つまり正確には「何を行動するか」を考えるのではなく、「何のために行動するか」について考え、明らかにすることを重視します。

例えば「歩きたいから歩く」という理由で歩くことは、主体性を持って歩いているとは言えません。「健康を維持するために、隣の駅まで歩こう」という明確な目的を自分の意思で掲げ、それを満たすための行動を自身で行った場合に主体性のある行動となってきます。

また「挨拶をする」というケースで考えた場合、仮に挨拶する理由が「人がやっているから」、「皆挨拶するから」では主体性のある行動とは言えません。ところが「職場のコミュニケーションを向上させるため、積極的に自分から挨拶することを心掛けている」となれば、職場のコミュニケーションを高めるという目的に根ざした行動が「自分から挨拶すること」となるため、この場合の挨拶は主体性のある行動と表現できます。

・自主性の意味

自主性とは、「他者との働きかけや干渉、指示などと関わってくる概念」です。つまり自主性とは、他人から何らかの働きかけや指示、あるいは干渉をされる前に、もしくはそうした働きかけがない状況で行動を起こすこと、もしくは行動を起こしている様のことを意味します。

また自主性の結果として反映される行動は、他者が干渉もしくは指示したくなること、即ち「(他者が)やるべき(と考えている)こと」もしくは「やってほしいこと」が前提となっている場合が多いことも特徴です。

主体性同様に挨拶を事例とするなら、例えば上司が「お客様が来社されたら自主的に挨拶するようにしなさい」と言う場合がありますが、この文意は「挨拶はマナーとしてやるべきことなのだから、私(上司)からいちいち言われなくても挨拶するようにしなさい」ということになります。

つまり本人が挨拶したい、するべきと積極的に考えているかどうかは二の次として、やらねばならないことを他者の指示や働きかけがなされる前に行動に移すこと、もしくは移した場面で用いられる言葉が「自主性(のある行動)」ということになります。

・積極性の意味

積極性とは「物事に対して自ら進んで働きかけたり、一定以上の意欲を持った上で取り組んだりする様のこと」を言います。

主体性や自主性との違いとも言える点は、積極性は他者の働きかけや協同的な取組みも内包できることがあげられます。例えば「人から勧められたので積極的に取り組むようになった」とは言えますが、「人から勧められたので自主的(あるいは主体的に)取り組むようになった」とは言いません。つまり、行動のきっかけや独立性より、行動を起こしている状況を前提としてその行動に対して意欲的に取り組んでいるどうかを重視し、その点に着目して表現する言葉が積極性と言えるのです。

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