「貴校・貴学・御校」の正しい使い方と違いまとめ

「貴校・貴学・御校」の正しい使い方と違いまとめ

敬語はビジネスシーンだけで使うものではありません。学校関連にも存在します。

「貴校(きこう)」、「御校(おんこう)」、「貴学(きがく)」、「御学(おんがく)」という言い回しが耳慣れない人も少なくないかもしれませんが、れっきとした敬語として存在します。

学生にとって、これらの言葉を使う場所は入試面接、採用活動、就職活動などに限られてきますが、どれも人生のターニングポイントとなる重要な場面。そんな肝心なときに敬語で失敗しないように、基礎知識を身に付けておきましょう。

「貴」と「御」の違い

就活対策などで「貴社」と「御社」の違いについては学んだ人も少なくないでしょう。貴社は書き言葉、御社は話し言葉というのが大きな違いです。

元々「貴」も「御」も相手の所属する組織や持ち物、体の一部など相手に属する物の頭に付ける接頭語で、敬語のひとつです。「貴」は尊敬語、「御(オン、オ、ゴ、ギョ、ミ)」は尊敬語と丁寧語両面のニュアンスがあります。しかし、どちらがより相手を敬っているかという違いについて、序列はなく、敬語度(筆者造語)としては同ランクとなります。

昔は書き言葉も話し言葉も「貴社」を使っていましたが、「貴社=キシャ」という発音が、記者、汽車、帰社などと同音で紛らわしいので「御社」という言葉が登場した、その歴史は2~30年程度とまだ新しいものだというのが一般的な「御社」登場のいきさつです。個人的には「貴社の記者が汽車で帰社したときに…」なんていう話をしない限り、聞き間違えることはないと思うのですが。

それはともかく、「貴」は話し言葉でも書き言葉でもOK、「御」は話し言葉のみで使うというのが現代のルールです。これが会社だけでなく学校関連にも浸透して御校や御学という言葉が生まれました。そのため、貴校と御校、貴学と御学の違いもこれに倣って、書き言葉と話し言葉で使い分けます。とはいえ、PCの漢字変換候補に御校、御学が出ないIMEがあることからも推察されるように、御校、御学は、御社や御行(銀行に対して使う)ほどポピュラーなものではないので、貴校、貴学という言葉を知っていれば恥をかいたり常識が無いと思われたりすることはないでしょう。

ちなみに、学校関連の名詞を謙譲語で表すと「弊社」に呼応して「弊校・弊学」となりますが、これを使うべきなのは教育機関の経営者や教職員です。教育を受けている側は「本校・本学」、で良いでしょう。そして貴と御の使い分けより大切なのは「校」と「学」の使い分けです。次の章ではそれを確認していきましょう。

「貴学・貴校・御校」の使い分け方・違い

貴学と貴校、あるいは御学と御校の違いは、その対象が大学であるか否かです。大学に「校」はつきませんよね。小学校、中学校、高校(高等学校)、専門学校、専修学校など、「校」がつく対象には「貴校・御校」を使います。おおざっぱには「大学以外の学校は貴校・御校」と覚えておけば良いでしょう。ちなみに、日本には看護大学校、水産大学校、航空大学校、農業大学校など「大学校」と名の付く学校もありますが、これは教育訓練施設のことで、学校教育法に定めた大学とは違います。

中には学位(学士)を取得できる大学校もありますが、大学ではないので、大学校に対する敬語は「貴校・御校」となります。ちなみにお隣の韓国では、日本の大学に当たる四年生以上の大学の正式名称は「大学校(テハッキョ)」です。ちょっとややこしいですね。

高校生は「学生」ではない

少し話はそれますが、日本語で「学生」というと、どの学校に通っている人を指すかご存知ですか?正解は「大学生および大学院生」です(大学院生は「院生」という呼び方もあります)。教育機関で教育を受けている人の呼び方の区分は、小学生=児童、中学生と高校生=生徒、大学生と大学院生=学生となります。

「小学生」「中学生」も「学生」という文字は入りますが、これは「小+学生」ではなく、「小学校の生徒」を指すので、あえて分解すれば「小学+生」となります。そのため「学生時代」というと、厳密には大学生時代と大学院生時代のことを指します。大学のAO入試の面接などで「今までの学生時代は多くの友人に恵まれました」という言葉を使うと、日本語を知らない人と思われてしまうので気を付けましょう。とはいえ、「生徒時代」、「児童時代」という日本語はないので、小学校時代、中学時代、高校時代と使います。小学時代と言わないのは慣用的なものです。

校・学の区別に例外あり

大学か否かで校と学を使い分けると紹介したばかりですが、一つだけ例外をご紹介します。それは「母校」。自分の出身の学校を指しますが、これだけは大学に対しても「母校」といいます。そもそも「母学」や「母大学」という言葉は聞いたことないですよね。

保育園、幼稚園、学院、学園、大学院は?

学校の名前で「○○学園(学院)高等部」などの正式名称を聞いたことがあると思います。では、これらの学校の敬語表現は貴園、貴院、貴部、御園、御院、御部になるかというと、そうではありません。これらは学校の「名前」を表す固有名詞で、教育機関としての機関名はあくまで高等学校。そして敬語はこの機関名に付けるのです。ですので、学校の名前が学園や学院でも、「貴校・御校」を用います。大学も同じです。

「貴園」と使うべきなのは幼稚園や保育園です。これらは機関としての区分がそれぞれ幼稚園・保育園となるので、その名称が「▲▲キッズアカデミー」となっていても「貴園」を使います。

もう一つ、「貴院」を使うのは、病院に対してです。大学院は、大学院という組織があるのではなく、大学に置かれた研究科(大学の学部のような位置づけ)となり、組織自体は大学に属するので、「貴学・御学」となります。

相手を尊敬する意味の接頭語「貴」は、まだまだ色々な組織に応用がききます。会社では「貴社」だけでなく「貴事業本部」「貴部」などの表現を使うことがあります。財団法人や一般社団法人、NPO団体など、営利企業でない場合は「貴団体」となります。ただしこれらは主に書き言葉に用いることが多く、話し言葉に挟み込むと相手に違和感を覚えさせる場合もありうるので、会話のときには「●●部様」などの表現に変えるなど、臨機応変に対応しましょう。

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