完全月給制と日給月給制の違い

完全月給制と日給月給制の違い

同じ会社員(正社員)でも、給与や報酬の制度にはいくつかの種類があるのはご存知ですか?「知ってるよ。月給制と年俸制でしょ?」たいていの人はそのように答えると思います。しかし、実は月給制にも2つの種類があるのです。

ここでは、月給制の中でも「完全月給制」と「日給月給制」の違いについて解説します。

「月額固定金額」の完全月給制

完全月給制というのは、その名前の通り、給与額が「1か月〇〇〇,〇〇〇円!」とキッチリ決められています。その内訳は会社によりますが、完全月給制を採用する会社の多くは基本給+各種手当という構成になっています。

各種手当とは、役職手当・家族手当・資格手当・営業手当などです。会社によっては何時間かの時間外手当があらかじめつくこともあります。そしてこの額は自己都合によって労働しなかった時間(欠勤、遅刻、早退など)の控除(減額)はありません。

では、休日出勤や残業などの「加算」についてはどうでしょう?完全月給制というのは管理職や基幹職の人に適用される場合が多く、また管理職はほとんどの会社で残業代がつかないケースが多いので、完全月給制イコール残業代や休日出勤手当がつかないと思われがちですが、実はそうではありません。完全月給制・日給月給制に関わらず、残業手当や休日出勤手当は受け取る権利があります。

会社側が残業手当を支払わないでよいかどうかは、その労働者が「管理監督者」であることが条件のひとつです。管理責任者というのは、経営者側と同じスタンスに立ち、賃金等でも優遇されているなどの要件が必要となりますが、法律による明確な線引きはありません。

経営者が残業代を抑える手段として、実情にそぐわないのに社員を管理職にして長時間の残業をさせる「名ばかり管理職」は、完全月給制とからめた会社側の悪用例とも言えます。

「日給月給制」は、欠勤による控除がある

日給月給制も、月給の額は決まっています。完全月給制との違いは、欠勤や遅刻、早退などにより仕事をしない時間が発生した場合、その時間分の賃金が月給から差し引かれる仕組みになっています。

混同しやすいのですが、「日給月給制」以外にもう一つ、「月給日給制」という給与制度もあります。月給日給制は、月給として月の給与は決まっているが、欠勤をするとその分月給から控除される制度です。

それだと日給月給制と変わらないんじゃないか?と思うかもしれませんが、それは間違いではなく、しかもこの二つは明確に規定しているわけではないので、しばしば混同して使われています。もちろん両者とも欠勤ではなく有給休暇を取得すれば、月給の額はプラスマイナスゼロということになります。

完全月給制の人は、有給休暇は無意味な制度?

有給休暇の話が出ましたので、完全月給制の人と有給休暇の関係についても少し説明をしておきます。

完全月給制の人は欠勤による月給の控除が無いので、有給休暇というのは意味が無いのではないかという素朴な疑問があります。確かに、休んでも給与から日給分を差し引かれないという意味では実効はないということになりますが、それでも休暇を取ることを推進する意味では有給休暇はすべての職域の社員に対して必要な制度ということになりますし、社員がどれだけ休暇を取れているかという指標にするためにも完全月給制の人にも有給休暇が付与されているのです。

完全月給制と日給月給制では失業保険などの計算根拠になる基礎日額に違いが出る

完全月給制と日給月給制の違いは、働いているときや休暇取得時だけの違いではありません。会社を辞めたとき、会社が倒産したときは、多くの人が失業保険のお世話になりますよね。この失業保険の給付額を決める「基礎日額」に違いが出ます。

基礎日額とは、失業するまでの一定期間の給与額に応じて決まります。大まかにいうと、給与額を勤務日数で割ったものが基礎日額となりますが、完全月給制の人はこの勤務日数が暦の上での日数(1月なら31日、2月なら28日)となり、日給月給の人は営業日数となります。当然ながら営業日数より暦日数の方が多いわけで、月給が同じ額面の場合は日給月給の人の方が、基礎日額が高くなることになりますね。

日給月給制では、会社の休みが多いと給料が減る?

日給月給制の場合、自己都合の欠勤は控除の対象になりますが、年末年始やお盆など会社が休業になった場合はどうでしょう?

これについては、月の給与の金額という決め方をしているので、その際には会社の月ごとの営業日数も織り混み済みで、控除の対象にはなりません。

日給を月に一回まとめて払うのは、日給月給制ではない

「私は日給月給だから、年末年始は営業日が少なくて給料が下がってしまう」という話を聞いたことはありませんか?

この場合の「日給月給制」というのは、これまでご紹介してきた日給月給制とは違います。単なる「日給制」です。アルバイトや派遣社員などの「時給制」と同じです。日給月給制と混同してしまうのは、支払いが月に一度だからです。「日給を月に一度まとめて払う」ので日給月給制で合っているように思いがちですが、日給制(時給制)の人は、1か月に働いた日数(時間数)の累積額が給与となるのです。給与形態として「日給月給制」で入社した場合、営業日に応じて給与が変動するようでしたら、疑問を持ってみてください。

会社が日給月給について理解していないか、故意に控除している可能性があります。納得がいかない場合は、就業規則や契約書を確認の上、組合や労働基準監督署に相談することも考えてみましょう。

さいごに

ここまでの説明を読んで、給与形態も結構複雑なんだな、めんどくさいな、と感じた人もいるかもしれません。しかし事は一番大切な収入の話ですので、基本的なことはしっかり知っておきましょう。他でもないあなた自身のためなのですから。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

Like Box

ピックアップ記事

  1. 売れない営業マンの6つの特徴と対処法

    「成果が出ない…。」一生懸命に頑張っているのに、毎日足を棒にして歩き回っているのに、なかなか結果に結…
  2. 仕事辞めたい人の本音の転職理由と後悔しない6つの転職方法

    仕事を辞めたいと思ったことはありませんか?そんなことを言うと「甘え」や「逃げ」であると説教をされたこ…
  3. 営業マンあるある・職業病まとめ

    営業マンの「あるあるネタ」「職業病」まとめ

    お客様に自社商品を購入してもらうために、あちこちを駆け回る営業職。営業はとても大変な仕事ですが、今回…

オススメ記事

ピックアップ記事

  1. ビジネスシーンの中で、「ご尽力」「お力添え」という言葉を使うことがあります。「ご尽力」とは、「目標を…
  2. 転職の際には、持っていると有利になる資格や条件などがあります。持っていると有利になる資格、満たしてい…
  3. グローバル社会が進むにつれ、従来当たり前だった「年功序列」を見直し、成果主義の人事制度へと舵を切る企…
  4. 昨今ネットでは、有給休暇取得や取得後に関する識者のマナーに関する企画記事が話題を呼んでいます。例えば…
  5. 皆さんは同僚や上司への連絡メール等の中で、「取り急ぎ」と言う言葉を使用する場合があると思いますが、「…
  6. 退職の意思を伝える場合には、その内容もさることながら伝える時期や時間帯、つまりタイミングというものが…
ページ上部へ戻る