「ご無沙汰しております」の使い方・「お久しぶりです」との違い

「ご無沙汰しております」の使い方・「お久しぶりです」との違い

目上の人や取引先、お客様に対して、しばらくぶりに会ったり連絡を取ったりする場合、冒頭の挨拶によく使われる言葉が「ご無沙汰しております」ですね。ビジネスに限らず、日常生活でも使う言葉ですが、どのような注意点があるのでしょうか。

「無沙汰しております」の意味

「ご無沙汰しております」の「沙汰」は、便りや音信のことです。「音沙汰がない」などは、この「音信」が無いという意味ですね。そして現在、挨拶で使われる「ご無沙汰しております」は、本来ならマメに連絡すべきところ、それを怠っているという意味になります。

「ご無沙汰」の豆知識

「ご無沙汰しております」のうち、「ご」と「しております」は敬語で、ふつうの表現だと「無沙汰する」になります。さらにこれを細かく分けると、「無+沙汰」に分けられます。沙汰が無いということですね。

では「沙汰」とは一体何のことでしょう?「沙汰」の「沙」は、砂の意味、「汰」はより分けるという意味で、よく砂金掘りなどで行われているザルに入れた砂を水の中でゆすって砂金を取り出す動作から来ています。転じて物事を精査して決定、処理、命令することを表します。時代劇のお裁きの場面で「追って沙汰あるまで蟄居を申し付ける」などのセリフに出てくる「沙汰」は、判決や処分方法などの意味合いですね。同じ意味合いで現在も使われているのが、「警察沙汰になる」とか「地獄の沙汰もカネ次第」などの言葉です。また、年貢のことも「沙汰」と言い、中世では「無沙汰」は年貢を納めないという意味でした。

 

「ご無沙汰しております」のバリエーション

語尾の「しております」以外にも、いくつかよく使われる形があります。

  • ご無沙汰いたしております
  • ご無沙汰してしまいました

このうち、「しております」「いたしております」は共に現在形、「してしまいました」は過去形ですが、違いはあるのでしょうか。結論から言うと厳密な違いはありません。連絡をとった時点でご無沙汰状態は解消されたわけなのですが、現在進行形を使っても違和感はありません。

「ご無沙汰しております」と組み合わせる言葉

「ご無沙汰しております」という言葉だけでも、完結した挨拶になりますが、前後に言葉をつけるなら、無沙汰を詫びる、恐縮するフレーズと組み合わせて使います。また、ご無沙汰しているのは、自分の状況なので、それに対して相手を気遣う言葉を組み合わせて使ったりもします。

  • すっかりご無沙汰をしてしまいまして、申し訳ございません
  • 長らくの無沙汰をお詫びいたします。
  • 大変ご無沙汰いたしておりますが、お変わりありませんでしょうか

「ご無沙汰しております」と「お久しぶりです」の違い

「ご無沙汰しております」と似た言葉に「お久しぶりです」「お久しぶりでございます」があります。この2つの言葉は、どのように使い分けをすれば良いでしょうか。

前節で説明したように、「ご無沙汰しております」は連絡しないことを詫びるニュアンスが含まれています。それに比べて「お久しぶりです」は、久しぶりに会う(連絡をとる)という客観的な事実を述べているので、それに続く言葉も

  • お久しぶりですがお元気そうで何よりです
  • 久しぶりにお会いできて大変うれしく思っています

など、必ずしもお詫びの内容を含んだものではありません。

さらに、「ご無沙汰しております」よりもカジュアルな響きがあります。ですので、目上の人や取引先に使う場合には注意が必要です。特にメールの書き出しに「お久しぶりです」と書いてしまうと、ビジネス感が薄れてしまうので、せめて「お久しぶりでございます」と書くか、「ご無沙汰しております」を使ったほうが無難です。

誰に対して使える言葉?

「ご無沙汰しております」は、総じて目上の人に対して使う言葉です。本来ならマメに連絡をとったり挨拶をしたりすべきところを、何の連絡もしてなかったことをお詫びする言葉ですから。

では、ビジネスの場合はどうでしょう。例えば過去に数か月一緒のプロジェクトで仕事をし、プロジェクト終了後は特に連絡を取っていなかった取引先などの外部の人に、1年ぶりに連絡を取ることになったとします。その場合、お詫びの意味を持つ「ご無沙汰しております」の挨拶は適切でしょうか?

相手は対等な関係のビジネスパートナーです。この場合、ドライに考えると、お詫びの意味合いを含む「ご無沙汰しております」は必須ではありません。ただし、コミュニケーションや相手への心配りを加味すると、「プロジェクト終了からすっかりご無沙汰いたしております。」などと切り出すと、より丁寧で謙虚な印象になります。丁寧な言葉遣いで損をすることは一つもありませんので、この場合は「ご無沙汰しております」が適切な言葉と言えるでしょう。

これが社内の人で、立場的に自分と同じくらいか、目下の相手だったら、「お久しぶりです」が適当です。

「ご無沙汰しております」が相応しくない場面

万能に見える「ご無沙汰しております」ですが、それでも使うのに相応しくない場面もあります。例えば明らかに自分の方が目上である場合は、却って相手を恐縮させてしまうかもしれません。

また、1か月や2か月程度連絡を取らなかった場合に用いると大げさ過ぎます。さらにメールや電話などで定期的に連絡は取っているけど、実際に顔を合わせるのは数か月ぶりなどという場面は「無沙汰」にあたらないので、「ご無沙汰しております」を使うシーンには当たりません。

3か月以上連絡をしていないときに用いよう

社会人歴が長くなればなるほど、社外の多くの方と知り合う機会が増えます。そんなとき、「ご無沙汰しております」を使う一つの目安となるのが3か月の期間。いかにも日本人らしい謙遜さが込められた「ご無沙汰しております」の挨拶言葉を上手に使って、礼儀と相手への敬意を表し、よりよい関係を作っていけると良いですね。

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