パワーハラスメントとは、職場において権力のあるものがないものに対して行われる「嫌がらせ・いじめ」のこと。確かに、人は力を持つとそれを不正に利用する場合があるものです。ところが最近は「逆パワハラ」が問題として取り上げられています。とくに、飲食業やIT企業など、部下の年齢が若年層にかたよっている企業で「逆パワハラ」が起きやすいと言われています。ここでは「逆パワハラ」について、上司の立場でどのように処理したら良いか解説していきます。

「逆パワハラ」とは

パワーハラスメントという言葉が示すとおり、元々は権力、権限のある人物が、そうでない人に対して「パワー」つまり「力」をつかって嫌がらせをすることでした。では「逆パワハラ」とはどういうことなのでしょうか。部下が上司に対して「嫌がらせ・いじめ」をするというと、ちょっと理解できない部分があります。ところが最近ではそのような事例がたくさん報告されています。

上司の言うことを無視する

  • 上司:「この資料をまとめて次の会議までに20部用意しておいて」
  • 部下:「……」(無視して自分の仕事を続ける)

上司の言葉に言い返す

  • 上司:「悪いけど、これを今日の午前中までに仕上げておいてください」
  • 部下:「午前中に仕上げる根拠は何ですか?その企画書なら明日までにできていれば大丈夫じゃないですか?」

上司を無能扱いする

  • 上司:「これ、印刷会社に見積とっておいて」
  • 部下:「その程度ならうちでプリントアウトすればコストかからないですよ。印刷会社じゃないとできないと思ってたんですか?」

その他、上司の容姿を誹謗中傷する、噂話を流布するなど、様々な「逆パワハラ」が存在します。

逆パワハラが起きやすい環境とは

飲食業やコンビニなどの店舗では、店長ひとりの上司に対し、複数名の若い従業員がいます。店長の上は、本部の人や経営者になりますから、ふだんは店舗にいません。このような状態は逆パワハラが起きやすいといえるようです。

例えば、社内に気に入らない上司がいたとしても、その上司に対してあまりにも失礼な逆パワハラをしているところを、上司の上司や、別の上司が見たときには「君、上司に対してその態度はないだろう」と注意するはずです。ところが、店舗という職場では、上司に対して「嫌がらせ・いじめ」をしても、その上の上司にはわかりませんから、注意されることがないのです。

逆パワハラを受けている店長はというと、親に自分がいじめられていると言うことができない「いじめられっ子」同様、上司に自分が逆パワハラを受けているとは言えません。自分の評価が下がることもありますし、人としてのプライドもあるためです。

また、IT企業のように、日々新しい情報が塗り替えられていく現場では、若い部下の知識や技術の方が年長者である部下よりも優れているということはよくあることです。そうした現場では、年功序列の考え方があまり浸透していないケースもあります。ですから、上司の上司がいたとしても、実力主義ということで、部下の方が、上司に対して意見していても当然とみなされます。

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